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サロマ

北海道の佐呂間町で竜巻が!一瞬のうちに9人もの尊い命が亡くなりました。自然災害とは言え、悲しすぎる事です。なくなった方のご冥福をお祈りいたします。

佐呂間町といえば、サロマ湖ウルトラマラソンの地です。5年前に初めて挑戦したウルトラマラソンがサロマ湖でした。その時、完走記を書いておりました。お暇な方はどうぞ。 チョット退屈するかな?

感動のサロマ 2001

(0~5km 3241秒)

朝の5時というのに日は高く、空もやたら明るい。時間の感覚がおかしくなるくらい…

調子はよい、緊張感もない。スタート直前に、S原さんと一緒に、近くの公園に小便、横を見るとそこにD井さんも。やはり、緊張感から小便がしたくなるのか。

スタート地点で周りの足元を見ると、H間さんが履いているサロマがやたら多い。

周りを見ただけでも、7~8人はいた。自分の靴はサロマレーサーだ。

いよいよスタート!! スタート地点まで約1分かかる。予定のキロ6分ペースで、周りのペースに惑わされないように慎重に走る。こんな経験は今まであまりない。走ってしばらくして、また小便、道路わきで用を足して戻るとちょうどH間さんと出くわす。「N尾さんは?」と聞くと、「先に行ったわ~」H間さんもマイペースで走ってるなぁ~

(5~10km 3021秒 1時間0302秒)

前方にN尾さんが見えた。この距離が変わらないところを見るとN尾さんもキロ6分ペースなんや。途中また、小便。なんかやたら小便近いな~

(10~15km 2935秒 1時間3238秒)

キロ6分ペースに慣れてきたようだ。足も軽い。よし、このペース、この調子。

前方より、折り返しのランナーが帰ってくる。男子のトップはこの時点ですでに独走。道井さんとすれちがい、すぐにS原さん。どちらもいい表情で走ってる。S原さんが、「S藤のぼるさん、kaiさんよりかなり前走ってるで~」

気にしない、気にしない。っと心に言い聞かせてマイペース。

(15~20km 3001秒 2時間0240秒)

折り返し地点で、音楽に合わせて子供たちが太鼓をたたいて応援。この地の民謡なのだろうか。太鼓の音は気も心も引き締まる。

折り返しから、日差しが逆になるので、帽子のひさしも逆に。自分ながら暑さ対策も万全。途中、H間さんとすれ違い手を上げてハイタッチ! なかなか調子よさそうだ。

牧場の匂いが鼻につく。できるだけ口で呼吸。すぐ横で地元の人が応援しているが、「この人ら臭ないんかな?」

(20~25km 2905秒 2時間3145秒)

20キロ過ぎて、5分の1。まだまだこれから。コースは本線から左に折れてルートが変わる。途中あられちゃんのカメラに向かってポーズ。走りながら、立ち止まってポーズしてもよかったなと反省する。

(25~30km 2959秒 3時間0144秒)

給水ポイントにはいろんな食べ物がある。オレンジ、レモン、アメ、バナナ、梅干。ありがたい。ここでは、オレンジとバナナを食べて、足の屈伸運動。

さあ、出発!

(30~35km 3003秒 3時間3148秒)

砂利道を走る。走りにくいので狭いわだちを走る。靴に小石が入ったが、砂利道が過ぎるまで我慢して走る。しかし、この砂利道やたらと長い。

(35~40km 3147秒 4時間0336秒)

ここの給水ポイントにアンパンが。食べるとまだ暖かくて美味しかった。あとで思ったが、食べれるときにもっと食べればよかった。

道路沿いを走るが、交通規制していないために車が横を走る。でも、車はランナーを気遣いながら遠慮して走ってるように見えた。大阪では考えられない。

(40~45km 3146秒 4時間3522秒)

サロマ湖沿いの道を走る。湖面の色が南国の海の色みたいに、コバルトブルーでとても綺麗だ。これをサロマンブルーと言うのかなと勝手に思った。

フルの通過タイム、4時間16分。予定より4分遅いが、スタート、給水のロスを考えればほぼ予定通り。横を走ってるランナーに思わず、「暑いですね」話を聞くと昨年も6分ペースで走って後半つぶれて12時間30分ほどかかったという。今年は11時間台で走りたいと。自分と同じぐらいとわかり、しばらく話ししながら走る。アップダウンが続きペースをあげてるつもりはないのに、上りで何人か抜いた。

(45~50km 3043秒 5時間06分)

だんだんと暑さが体にこたえてきた。給水ごとに頭から水をかぶってもすぐに乾いてしまう。給水ポイントが待ち遠しくなる。45キロ過ぎた次のポイントにポリバケツはあるが、水は一滴もない!ショック!!携帯していた水もない…

緑館が見えてきた!ようやく泊まっていたホテルに帰ってきたぞ。あそこで休憩やな。

(50~55km 51分17秒 5時間57分)

50キロを過ぎていよいよウルトラの世界に。しかし、これからというのに自分の声が耳の奥の方でこもるようになってきた。呼吸の音が耳の奥で聞こえる。高校時代の部活で合宿中になったことがある。たいした上りでもないのに心拍数も少し早い。少し立ち止まり呼吸を落ち着かそうとしても余り変わらない。とりあえず55キロのレストステーションまで頑張ろう。そこで休めば良くなるかも。

レストで椅子に座り足にバンテリン、そして足をストレッチ。ふくらはぎが少し痛む。食欲はあまりないが、おにぎりを一つ口に押し込む。頭から水をかぶって、さあ、スタート!!

(55~60km 37分14秒 6時間34分)

休憩の後は足が重い。しばらく歩いてからゆっくりと走り出す。休憩の後も耳の状態は同じ、大きく手を伸ばして、深呼吸を繰り返しても同じ。少し走るとふくらはぎに違和感を感じる様になってきた。少しけいれんを起こしてきたので歩き出す。そして、また走る。これを何度か繰り返しても足のけいれんは治らない…座って足を伸ばす事にした。

しかし、座ったとたん左足のふくらはぎに激痛!無理に足を伸ばそうとしたら、今度は右足のふくらはぎに激痛!!「あー痛い!」リタイヤという言葉が初めて頭をかすめる。激痛に顔をゆがめていると、人が近づいてきた、「靴を脱いで」といってエアーサロンパスをかけて、足を伸ばしてくれた。少し楽になった。その人は、「まだまだ、時間あるからしばらくは歩きながら足を伸ばして行ったらいい、大丈夫、大丈夫」っと優しく言ってくれ、希望も与えてくれた。

一瞬頭をかすめたリタイヤという言葉は消えた。よし、頑張ろう!残りはフルの距離ぐらい。6時間かかっても完走できる。ふと、昨年のホノルルマラソンを思い出す。

(60~65km 46分58秒 7時間21分)

60キロが見えてきたので少し走り出す。ゆっくりと走って60キロを通過。そして、また歩く。「給水まで500m」の看板が見えてくると、またゆっくりと走り出す。しばらくはこの繰り返し。

(65~70km 40分34秒 8時間02分)

林間コースがあり、影を選んでゆっくりと走る。風が心地良く身体に感じた。でも、耳の状態、足の状態は同じ。給水看板からの500mが長く感じる。

若い女性ランナーに抜かれる。反射的に足を見ると、色白の運動してなさそうな足。「なんでこんな足に抜かれるんや~」ゼッケンを見るとピンク色。「何や、50キロか」

給水ポイントまで何とか頑張って走る。私設の給水もあって、給水ポイントが多くなった分走る時間も多くなった。しかし、身体は水分しか受け付けない。

ようやく70km。たしかクイズ伸助くんで一番頑張ったのは70キロやったな~自分なりによう頑張ってると言い聞かせる。

(70~80km 1時間27分04秒 9時間29分15秒)

東急リゾートの給水ポイントに到着。すぐに頭から水。給水ポイントのたびに頭から水を思いっきりかぶる。この瞬間が気持ちいい。椅子に座ってコップに残った氷を食べる。このままここで止めようか…なんて弱音が出てくる。

横を見るとお汁粉のサービス。食欲は無いが義務的に口に流し込む。餅2個入っていたので1個だけ無理やり食べる。その横で、おばちゃんが「おいしいわぁ、もう一杯ちょ~だい。」だって。やっぱ、ウルトラのおばちゃんはスゴイわ~

やっと80キロのエイドの看板が、残り500mから長い長い、ホンマに500mかいな~

(80~90km 1時間38分36秒 11時間07分51秒)

80キロの給水の手前で、ワッカから帰ってきたD井さんに会う。「S原は俺より1キロほど後ろや~」「D井さん、あかんわ、両足つってしもて」一瞬の会話。D井さんの姿を追うとあと2キロの看板が目に入る。そうか、ワッカからここに帰ってきたらあと2キロか。時計を見ると制限まで3時間30分ある!よし、完走できる!完走するぞ!!

上りは足に負担かからないように歩くことにした。そして、フラットになったところで走ろうとしたら、またふくらはぎにけいれんが…嫌な予感。しばらくゆっくりと伸ばしながら歩くがけいれんは治まらない。思い切って座って靴を脱いで足を伸ばすことに、座って靴を脱ごうとしたとたん、またふくらはぎに激痛!!しかも両足!「痛い!!!」走ってる人は誰も助けてくれない…みんな冷たいなぁと思うが、ここではそんな余裕なんかないんやろ。

「もうアカン、このままリタイヤ?…このまま痛みが続いたら走れなくなる、これでリタイヤなら仕方がない…しゃーないか…」

その時、「大丈夫ですか」氷を積んだ軽トラに乗った関係者の人、思わず「アカン!足痛い!!スプレー持ってる?」「救護呼びますか」「とりあえず足伸ばして!」60キロ手前の時より勝手が悪かったが、なんとか足を伸ばしてもらい少しましになった。前に進む。走るとふくらはぎが痛む。

やっと次の給水ポイントに、水をかぶる前に、「スプレーありますか?」無い!がっかり…また、ゆっくりとスタート。走っても歩くような速さで、歩いてる方が長いかもしれない。

85キロのポイントで、また「スプレーありますか?」無い!何処も置いてないようだ。すると横にいた人が、「これを使って下さい。」盲人ランナーの伴走者だった。ありがたい。見ると盲人もかなり辛そうだった。キツイのは自分だけやないぞ!俺も頑張るで!!歩いてはゆっくりと走る繰り返し。

87キロ給水ポイントにたどり着く。近くには90キロの看板も。自分の距離は87キロ。あと1,5キロで折り返しや。行ったら帰って来れる。不思議と力がわいてきた。ゆっくりとゆっくりと歩くような速さで走る。ふくらはぎの痛みに耐えながら、いや、痛みに耐えられる速さで、速くなると痛む。

そして、折り返し地点を通過して、90キロポイントまで、歯を食いしばって、止まらずに走る。ここを走りきったら完走できると信じて走り続ける。歩くような速さで…

90キロ通過!!60キロ過ぎて初めて、3キロを続けて走れたぞ!

(90~95km 46分 11時間53分51秒)

給水で、頭から水をかぶり、ここでウイダーを口に流し込む。あと10キロ、あと1時間50分ある。もう、大丈夫!もう完走できるぞ!

しかし、ここで気が抜けるのが怖い。また、足がつるかもしれない不安がつきまとう。ゆっくりと走っては歩いて、また、走る。少し気が抜けたのか、少し走ればふくらはぎが痛む。痛むからまた、歩く。周りを見るとみんな極限状態なんだろう、歩いている人が多い。

逆向きにワッカに向かうランナーの中にH間さん、N尾さんの姿が見えない。ひょっとしたら…いやな予感。

自衛隊の車が見えてきた、最終ランナーだ。二人の姿は無かった。H間さんには失礼だが、一瞬、抜かれずにすんだという安堵感が…でもすぐに、何処でリタイヤしたのか、せっかくここまで来たのに、悔しいだろうなとか頭の中を駆けめぐる。

95キロが見えてきたぞ!

(95~100km 44分 12時間38分)

95キロを過ぎると、あと何キロの看板に変わった。あと4キロ!

横を歩いていた人に、「もう、大丈夫ですね!完走出来ますね!」その人は、さっきもどしたらしい。「もう歩いても大丈夫ですよ。体力を残り1キロにおいときますわ」聞くと、昨年は11時間30分で完走したらしい。今年はきつかったようだ。

そして、とうとうワッカの出口にある給水ポイントにたどり着いた。残り時間は40分ほどある。最後の気合いと思い、頭から水を何度も何度もかぶる。

「よっしゃー完走出来るぞ!!」

すぐに左に曲がると、80キロをさしかかった時、D井さんの背中越しに見えたあと2キロの看板が見えた。少し走ろうとするが、すぐに足がつりそうになる。無理はやめとこ、歩いても大丈夫や。この時、完走出来る事が身体全身で確信できた。感動を一人で味わう。自分ながらよくここまで来た。自分が頑張ってきたことを、自分で素直に喜ぶ事が出来た。目に涙が溢れてきた。心の中で「お父さんは、完走するぞ!」

残り、1キロの看板、走ろうとしてもすぐにつりそうになる。残り5~600mぐらいか、沿道の人が見えてきた。自然と足が前に進む。不思議と足は痛くならない。沿道の人が「お帰り~」「お疲れ~」と、自分は「ありがとう」と返す。

ブルーのジャージが見えてきた。D井さん、H間さん、S原さん、N尾さん、M原市役所の人、みんなが待ってくれてる。「kaiさ~ん!」見ると知らない人まで、(S原さんの営業活動による)

右手を挙げてみんなにこたえたかったが、声にならない。S原さんと目が合った時、S原さんも目が潤んでいた。そして、コースは右に曲がり目の前にゴールが!

前の人と間隔をあけてゆっくりとゴールすればいいのに、本能なのか足が痛いはずなのにスピードが上がった。そして、

ゴール!! 両手を挙げてガッツポーズ!!!200611082243001

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コメント

う~ん・・・感無量ですね。
kaiさんでもこんな挫折感を味わったレース
体験したんですねぇ・・・・
少しは、安心?しました。でも挫折が有ったからこそ
目的を達成した時の感動が、大きいのも事実ですねぇ。

それにしても、S原さん、熱い人でしたねぇ・・・
懐かしいなア~

投稿: 一匹狼 | 2006年11月 9日 (木) 19:59

サロマは自分にとってウルトラの原点なんです。
2年前サロマ走った時は、5年前の苦しかった事を思い出して、
オホーツク海見た時は涙が出ました。
5年前は、オホーツク海見る余裕もなかったですから・・・

S原さんも熱い人ですけど、一匹狼さんも熱いですよ!

投稿: kaisan | 2006年11月 9日 (木) 22:04

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